鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

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感想 : 153
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 宇宙人殺人事件の捜査をすることになったベイリと宇宙人側の捜査官でロボットのベイリの活躍を描いたSFミステリー。

 SF作家の描く未来都市はどれも魅力的なものが多いですが、この本の舞台となる鋼鉄都市”ニューヨークシティも面白いです。

 かっての地球からの移民であった宇宙人たちへの反感、人間から職を奪ったロボットへの反感、人口が増えすぎたため食料など生活上の制限は多くドーム状の都市の中で生活せざるを得ない、とかなりわけありの世界観です。

 そうした世界観だからこそ起こる事件や感情の機微などが読みどころです。ロボットに反感を抱きダニールに対し複雑な感情を抱くベイリ、
そうした感情や人間の心理を理解はするものの共感はせず、そのためどこかちぐはぐな言動をするダニール、
そうした二人のコンビのデコボコっぷりが読んでいて楽しかったです。

 ミステリとしては少しあっさりと言う感じもしましたが、この鋼鉄都市という世界観をより深く表現するためにミステリの手法が採られたSFだったのかな、と思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF・ファンタジー
感想投稿日 : 2015年5月22日
読了日 : 2015年5月16日
本棚登録日 : 2015年5月7日

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