プレミアム戦略

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2007年12月7日発売)
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はじめに
・成熟消費社会のキーワード
・「キャッチコピー」ではなく「戦略」

第一章:プレミアムという現象
・「欲望の質」
 世界最高水準の日本人の「欲望の質」
  江戸時代の町人文化
   歴史上例のない、支配者(武士)より金持ちな被支配者(町人)
   はり・通・意気・いなせ・伊達男
 「手に入れる」ではなく「使いこなす」

第二章:プレミアム消費の2つの断面
・日常の贅沢ー「ちょっとプレミアム」
 ハレとケ
 ビール、アイスクリーム、TSUBAKI
・非日常の贅沢ー「アイデンティティ・プレミアム」
 自分探し・自分らしさ・アイコン・こだわり
 NGワード:ブランド
 高価・希少・選別

第三章:プレミアムと何か?
・プレミアム=プラスアルファの価値
 機能的価値  vs. 情緒的価値
 (見える価値) (見えない価値)
 PREMIUM・LOVE・RESPECT・IGNORANCE
 NGワード:ラグジュアリー=豪華・贅沢・奢侈

・プレミアムのメカニズム
 尖った独自の機能的価値
 ストーリー

・フラッグシップ
 日常の贅沢(ちょっとプレミアム)・ハレ
 非日常の贅沢(アイデンティティ・プレミアム)・自分探し
  こだわり・高価・希少・選別

・価格こそが4Pの中で最上位の概念
 「価格」によりプレミアムを訴求
 フラッグシップが価格を規定
  「いくらで売りたいか」
 驚異的な収益性

第四章:なぜ「日本発のプレミアム」は育たないのか
・「日本発のプレミアム」を阻む4つ壁
 舶来信仰
 御用達制度の廃止・一億総中流社会 vs.ヨーロッパの階級社会
 大量生産・大量販売という産業政策
 デザイン性より機能性重視の思想

・それよりも最大の壁は「作り手の欲望の質が低い」こと
 プレミアムを作ろう、という欲望

第五章:戦略としてのプレミアム
・プレミアム・ニッチ戦略
 vs.コストリーダーシップ戦略・差別化戦略
 
・プレミアム・パラダイム
 「たくさん売ろう」としない
 「カスタマー」ではなく「ファン」を作る
 「マーケティング」ではなく「ストーリー・テリング」
 
・プレミアムにおける原則
 「作りての主観」こそが命
 常に「モダン」である
 派手な広告・宣伝はしない
 飢餓感・枯渇感の醸成
 安易な拡張は行わない
 販路を絞る
 細部にこだわる
 グローバルを目指す
 
・日本企業がすべきこと
 本物の「職人」を育てる
 「ストーリー・テラー」を育てる
 上場にこだわらない
 仕事に「ゆとり」を
 「できる」と信じる

取り上げられている商品・サービス
・サントリー:ザ・プレミアム・モルツ 250円(実売)
・シャープ:電子レンジ「ヘルシオ」 12万6000円(メーカ希望)
・スウォッチ:オメガなどの最高給ブランドを買収
・資生堂:TSUBAKI 850円(実売)
・ボーズ:原音再生のこだわり vs. バング&オルフセン デザインのこだわり
・ポルシェ:911(フラッグシップ)、カスタマーセンターでの受け取り
・BMW:5シリーズ(フラッグシップ)
・レクサス:LS(フラッグシップ)
 385馬力・燃費9.1kmという動力性能・低燃費を両立
・ルイヴィトン・エルメス・グッチetc
・千疋屋総本店:10000円超のメロン・20人の生産者
・大塚製靴:31万5千円の注文靴・農機は4〜6ヶ月
・セイコーウォッチ:クレドール・ノード:取扱店を110に絞る
・ミキモト:100粒中10粒しかない「花珠」
・タケダワイナリー:20年の歳月をかけた土壌改良
・星のや軽井沢:谷の集落に滞在・連泊限定・テレビがない
 3万5千円/人・泊

おわりに
・従来の経営書はHOW、本書はWHAT

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年11月5日
読了日 : 2009年1月2日
本棚登録日 : 2018年11月5日

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