聖灰の暗号〈下〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
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本棚登録 : 318
感想 : 38
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基督教における正統と異端、特にカタリ派に関する類書を何冊か読んでいた為、興味深く読了することができた。但しミステリとしては展開も結末もお粗末。シリーズ物かと錯覚する程、人物の書きこみが不足している。何の為に出て来たかわからない人物も多い。それがよりリアルだと言われれば、それまでだが。百頁余にも及ぶ作中大作「マルテの手稿」に感情移入できるかが本書を楽しむ上での分水嶺。現在の視点で過去を糾弾するのはアンフェア―なやり方であるが、現ローマ教皇庁が中世の異端審問をどのように総括したのかについて少し調べたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2012年2月10日
読了日 : 2011年2月8日
本棚登録日 : 2012年2月10日

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