物理学とは何だろうか 上 (岩波新書 黄版 85)

著者 :
  • 岩波書店 (1979年5月21日発売)
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感想 : 62

 これは名著です。ただし残念ながら絶筆であり未完成。最終章は病床での口述筆記となっています。

 物理学そのものの詳細な中身ではなく、様々な法則を見出して行った先人達がどんな努力をしてきたか、それはどんな時代背景があったのか、科学と哲学や宗教との関係にも言及しながら丁寧に解説されています。

 力学から始まって熱学(熱力学)分野の記述にかなりのページを割いています。もし著者が亡くならなかったら、本来の専門である量子論まで及んだのでしょうか。だとしたら本当に素晴らしい、物理学を学ぶ物なら必ず読むべき一冊になっていたことでしょう。

 アインシュタインらが書いた『物理学はいかに創られたか』という本はいまいちでしたが、そのタイトルはむしろこちらにつける方がふさわしいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2009年6月23日
読了日 : 2009年6月23日
本棚登録日 : 2009年6月23日

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