木蓮の花が咲き始めて満開になる頃、浪人になった男の子とその周りの人たちの物語。
真摯だけど少し突っ張っていて、どこか上品でエセではないインテリの香りがします。女中さんが出てきたり、樹木のある庭のある町並みとか、昔の山の手のイメージ。
外国語の本を含んだ立派な蔵書から、その持ち主の豊かな知性や器の大きさを感じ取り、憧憬とも嫉妬ともいえる思いを抱く、彼のみずみずしい若さ。しかも、死に直面しているその蔵書の持ち主に女友達が寄せる感情の波に、彼も揺り動かされているところが、なんとも。
死別という思いテーマを扱った青春小説でもあります。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年6月10日
- 読了日 : 2018年6月10日
- 本棚登録日 : 2018年1月19日
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