141129 中央図書館
現代の<span style='color:#ff0000;'>情報技術を活用すれば、ルソーの言う「一般意志」を民主主義に実装することが可能</span>である、と提唱する。
「一般意志」は、個人のベクトルの合成のようなものとも考えられるが、それを政治のアウトプットにデプロイする手段は今まで存在しなかった。ハンナ=アーレントやハーバーマスは、政策過程でのコミュニケーションによる価値創造を重視したが、実際には無理である。それは、現代社会があまりにも複雑で、すべてを見渡せるような視野はもはや存在せず、一流の専門家もいったん専門を離れると無能と化す。つまり選良と大衆という構図がもはやそぐわなくなっており、政策過程でのコミュニケーションも実際には成立しないことが明らかだからだ。
しかし、最近の情報技術の発達で我々が実感するとおり、<span style='color:#ff0000;'>データベース技術を駆使して無数の個人の断片的な意思を、重層してマッピングすれば、少なくとも意志形成の制約条件を視覚化することが可能</span>となってきた、というのが中身。
今まで人間が苦労して作り上げてきた抽象化された理論やモデルに頼らずとも、集合知が形成できる、といういささか楽観的な見方に思える。専門家が頼りないというのであれば、システム的に物事を見る「専門家」の体系を構築するほうが先決と思うのだが。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
思想・哲学
- 感想投稿日 : 2014年11月29日
- 読了日 : 2014年11月29日
- 本棚登録日 : 2014年11月29日
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