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この作品からのみんなの引用
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世界は複雑になりすぎた。国家と熟議は対応年数を超えている。人類はこれから、否応なしに、人間的な理性の力だけではなく、動物的な哀れみの力をも利用して社会設計をすることを迫られる。
― 251ページ -
政治思想はいままで、あまりにも理性を信じすぎてきた。しかし、実際には人間の能力には限界がある。人間は理性だけでは社会の複雑さに対応できない。だとすれば、社会の基盤は、個人の理性よりも、むしろ人間の「群れる動物」としての本能ー~に求めたほうがよいのではないか~。ローティ思想と一般意志2.0の構想に共通するのは、人間の動物性ことを、社会の、公共性の、そして連帯の基礎に据える世界観である。
― 212ページ -
世界観や人生観が異なっていても、理念がいくら離れていても、眼の前で苦しんでいるひとがいたら人間は自然と心が動いてしまう、その事実こそが大事なのだ、~従来では私的領域で処理されていた動物的で身体的な問題こそが私的領域に閉じ込められるという興味深い逆転が起きている。そこではもはや、理性の力が感情の限界を乗り越えるという前提、それそのものが信じられていない。ローティはむしろ、感情こそが、理性の限界を揺るがし連帯を生み出すと考えていたのである。
― 210ページ
みんなの感想・レビュー・書評
面白かった。難しそうな内容なのに!
もちろんちゃんと理解出来たのは一部だけだと思うが最後までワクワクしながら読むことが出来た。
もし生きてたら50年後に読みだい一冊。
「市民が互いにいかなるコミュニケーションを取らなくても、小さな差異が集まり、結果として一般意志が生み出され、決議はつねによいものとなる国家」を理想としたルソーの社会契約論に基づく統治論。
討議による人々の意見の集積ではなく、欲望・無意識の集積を通じた政治の可能性や、情報技術を駆使することで、公共性の基準をつくる「一般意思」の可視化し、それによって、民意と政治のかい離を正していこうとする問題提起は興味深かった。
突っ込みどころは多い本であるという印象は受けるが、これまで僕の中で徐々に正当さを固めつつあった熟慮民主主義的なプラットホームに対して穿った見方をした本としては面白く読めた。十章だけで要旨はつかめるので立ち読みで済ませるのもおすすめ。 要旨は以下のようである。ルソーが当初構想した一般意思という概念は、本来熟議を前提としておらずもっと大衆の無意識に基づいたものとして構想されていた。熟議、コミュ... 続きを読む »
政治とソーシャルメディアとの関連とかを整理して考えてみたい!って思ってる方には、考えるにあたっての切欠になる内容だと思います。
全体的に文体から漂う厨二の匂いが気になります。
〈民主主義は熟議〉論は空しい、とはいえ〈ネットを介した直接参加プラットフォーム〉論は浅薄だ。そこにルソーを引いて〈熟議とデータベースが補いあってよろよろと運営される国家〉という像を描く。よろよろと…がミソ。面白い。
「一般意志」とは、ルソーがその主著『社会契約論』で民主主義の基礎とすべきものと想定したもので、本書では集合的な無意識(p.164)だとも表現されているものである。著者は、GoogleやTwitterなどに代表される情報技術と蓄積された情報データベースによって、この一般意志を技術的に可視化することが可能であり、また新しい政治の実現のためにそれが実現されるべきだと主張する。それは一般意志をルソーの想定... 続きを読む »
これはかなり重要な本だ。この多様化し複雑化した現代において議論による解決という方法論に大きな疑問符を投げかける問題提起であるからだ。 政治という意志決定の場において、プラトンが思い描いたような哲人は未だかつて登場したことがなかった。不完全な次善三善の策としての民主主義という方法をテクノロジーによって解決する可能性を模索した本だ。 Twitterやニコニコ動画のようなリアルタイムで双方向... 続きを読む »
筆者がこれはエッセイであり、夢を語るものと言い切っているのでそんじょそこらの思想本より読みやすい。
けど、ところどころはやっぱり現代思想が入ってくる。
連載ものでもあったらしいからか、章が変わると前回のおさらいをしてくれ、迷子になりにくい。
あくまで夢なので現実味があんまり感じられなかった。
筆者の見る未来の様相は無いとは言い切れないし、そこまでの論理の導きも分かるんだけど、私が死ぬまでに実現しそうにはないなという感じ。
まぁ、1つの可能性は見せてくれた。
面白かった。理性だけでは政治的決着は絶対につかない。専門家だって特定ジャンルは詳しいが他は素人。選民の熟議に大衆の感情をデータベース的に表示し牽制材料とする。ニコ生みたいのを国会に導入するのはすぐにでもできるからやって欲しいな。朝生で東がツイッターのハッシュタグを表示しながら討論しましょうよ、そしたら誰もこんなテーマから外れた議論聞きたくないって分かりますから。そもそも現在の代議制だってIT技術で民意なようなものが抽出できたら必要なくなるかもしれない。みたいなことを言っていたのが、このことだったかと改めて理解できた。
----- 書評 『一般意志2.0』東浩紀著 熟議民主主義を補完する「アップデート」という試み 「民主主義」という言葉を耳にすると、普遍的な理念だとは思うものの、その現状に軽蔑と失笑を禁じ得ないのは評者だけではないだろう。しかし「民主主義オワタ(終わった)」と断定する早計さを、本書は丁寧に気付かせてくれる。 著者はルソーの「一般意志」を手がかりに民主主義の更新を説く。一... 続きを読む »
一言で言うと、とても好きな本だ。一つには、ルソーの「一般意志」を現代の視点で読み替えた物語として。グーグルやニコ生動画などの日常の材料に目をとめることで、ルソーの『社会契約論』がこう読み替えられるのか、という体験は、純粋に小説の面白い解釈を読むような楽しさがあった。きっと本人もこのアイデアにはワクワクしただろうし、いくら著者がわかりやすさを念頭に筆致を押さえていても、平明な叙述ごしにそのワクワクが... 続きを読む »
早稲田大学文化構想学部教授の著者は、本書で新しい民主主義のカタチを提案する。 それは、ルソーが「社会契約論」の中で定義した「一般意志」をさらに進化させた「一般意志2.0」による統治。 ルソーは、「社会契約論」の中で、国家の意志は市民の意志の統一そのものであり、その一般意志こそが善や公共性の基準を作るはずなので、それが誤ることは定義上ありえないと主張する。 また、一般意志は数学的な... 続きを読む »
「無意識民主主義」や「総記録社会」をキーにして、新しい形態の民主主義を提示している。ルソーの「未熟」とされていた部分が自説の根拠となっているのが興味深かった。

インターネット上の集合知は無意識をあぶりだし、それが民主主義の根本的な意味を変えていく。その考えにはおおいに共感し、賛同する。
ただ疑問に思うのは、その抽出された無意識は、どこまで本物だろうとい...






