戦後日本経済史 (新潮選書)

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  • 新潮社 (2008年1月25日発売)
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150509 中央図書館
通産省は、敗戦直後、マッカーサーが乗り込んでくる前に、「軍需省」の看板をさっさと「商工省」に書き換えることで、占領下においても従前の人的体制で生き延びた。大蔵省は巧みな交渉で占領軍の軍票発行を阻止し、通貨発行権を守った。・・という二つのエピソードを冒頭に置き、戦時体制が、少なくとも経済官僚たちにとっては、そのまま戦後に接続して、高度経済成長に至った。(ただしバブル以降の崩壊予兆もそのときに内包することになった)との見立てを示す。
野口自身が、通産省にも試験を受けに行って、佐橋や川原(『官僚たちの夏』の風越と鮎川)の面接を受けていたというのは、おもしろいエピソードだが、全体には、野口の自慢話のようなところもある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 政治・経済・法律・社会
感想投稿日 : 2015年5月9日
読了日 : 2015年5月9日
本棚登録日 : 2015年5月9日

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