「生きづらい日本人」を捨てる (光文社新書 619)

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  • 光文社 (2012年12月14日発売)
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感想 : 22
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アジアの各地に流れ着いた9人の日本人たちの物語。
日本の暮らしから離れて暮らすようになった各人各様のいきさつ、それぞれの土地での暮らしなど。

彼等・彼女達も決して日本の不景気から逃れて楽園のような癒しの暮らしをしている訳ではなく、それなりに努力や運、仕方のない事情などで現地での生活を営んでいます。現地の人々からは日本人は金持ちと思われている一方、実態は凋落していく日本経済というギャップ。しかし、その実態も徐々に現地で知られるところとなりつつあるのが現在の様であります。

日本が不景気ならどこか外国にでも、とぼんやりと思っていたこともありましたが、グローバル化した現在では、そういう逃げ場もなかなか無い様です。

どうせ同じ苦労をするなら、生きづらい日本よりはアジアの空気の中で暮らしたほうがマシ、と感じた人々の物語。どこか、共感できるところがありました。日本での豊かさや幸福とは少し違う尺度で生き直す事は、これはこれで良いことなんじゃないかな、と思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2013年2月21日
読了日 : 2013年2月21日
本棚登録日 : 2013年1月1日

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