「ついにお前が役に立つときがきた。夫を見つけてやったぞ」ギリシアの大財閥を率いる養父の言葉に、イオーネ・ガキスは全身を揺さぶられるほどの衝撃を受けた。婿をもらい、“ガキス・ホールディングス”を継げというのだ。自分を道具のように扱う養父に怒りを覚えたものの、服従を強いられ続けてきたので受け入れるしかなかった。だが、結婚相手の名を聞いてイオーネは呆然とする。アレクシオ・クリストウラスキ!二カ月前、彼のヨットが時化を避けてガキスの島に寄ったとき、イオーネは屈辱的な思いをさせられていた。あんな傲慢な人と結婚するなんて…。しかし次の瞬間、イオーネは希望に目を輝かせた。そうよ、花婿を利用して、自由へのパスポートを手に入れるのよ。
自由になるために結婚を選んだヒロインの気持ちは理解できる。確かに逃げだそうとしたのは軽率だったかも知れないけれど、特に知りもしない相手なのだから、仕方がない気もする。一応、ヨーロッパの寄宿舎に入っていた割にヒロインが物知らずなのはびっくり。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
契約(偽装)結婚
- 感想投稿日 : 2009年3月29日
- 読了日 : 2009年3月29日
- 本棚登録日 : 2009年3月29日
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