「私」は気づけばもう「私」でなく、日常は彼方に遁走する―
(クレスト・ブックスの帯のキャッチ)
エヴンソンが繰り出す世界は、読んでいると脳みその後ろから襲ってくる。
妄想なのか現実なのか、寝ているのか目が覚めているのか、生きているのか死んでいるのか、あなたなのかわたしなのか……。
いったいなんだ、これは!
あまりに理解困難で、読み始めてから100ページほどで読めなくなった。
決して「つまらない」訳ではない。
向き合う覚悟が途切れてしまった。
すこし他の本に浮気したあと再び向き合うと、とたんにその世界に引き込まれていく。
読後に振り返ってみると、独特で比較できるものがなく面白いのかどうかすらわからない。
訳者柴田元幸氏のあとがきによると、エドガー・アラン・ポーやスティーヴ・エリクソンなどを挙げて傾向を解説している。
まだ短編であったから、ぶつ切りでも読み切ることができたけど、長編だったら「途中で放り投げる」か「没入して帰って来れない」ことになったかも。
とにかく不思議な読書体験でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2022年10月21日
- 読了日 : 2022年10月21日
- 本棚登録日 : 2022年3月26日
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