ゴーンテキスト ビジネスの教科書

  • 文藝春秋 (2006年12月6日発売)
3.24
  • (4)
  • (12)
  • (38)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 169
感想 : 18

『Learn from the differences』
(違うということから学ぶこと)

 ペラペラペラ・・・この本を手に取ったとき思わず隣にいた友達に見せました。なぜって?前から読めば日本語、後ろから読めば英語、そして最初のページにしっかりくっついているCD。一瞬、英語の教科書だと勘違いしたほどです。
 この本の著者カルロス・ゴーン氏はヨーロッパで7年、南米で4年、北米で7年と3つの大陸でマネジメントを学び、1999年に倒産の瀬戸際だった日産のCOO(最高執行責任者)に、2001年には社長兼CEO(最高経営責任者)に就任しました。私はこの本を読むまで、日産自動車は日本が誇れる自動車メーカーで、社長も日本人だと思っていました。倒産の危機にあったこと、経営者が外国の人であったことを初めて知ったのです。そしてその経営者の彼が日産の倒産危機にさらされていたときに発表した計画・・・それがこの本の元である「日産リバイバルプラン」です。現在、日本の高校生が英語の暗唱コンテスト演目になっているほどの「日産リバイバルプラン」どんなものなのか気になりませんか?私はここで著者の言葉でとても印象に残ったものを紹介したいと思います。
「自分とまったく同じ人間からは、学ぶことはない。」
 これはまさに私の気持ちを上手くまとめた一文でした。とてもしっくりきたのです。私は高校を選ぶときも大学を選ぶときもとりあえず自分の(を)知らない人がたくさんいる所に行くことにしていました。多くの人と出会い接することが好きだったからです。それは自分の成長にも繋がります。その中でも多くの人と接することで自分が成長できると私が一番感じた体験は「留学」です。住んでいる国、話す言語、年齢、そして育ってきた環境・文化が自分とは全く違う人たちに出会うことが出来るすばらしい機会だと私は思います。しかも会話をする中でも相手の文化のみならず意外と自分の新しい発見になったりするのです。私は一口に英語といっても様々な英語があることを知りました。イントネーションのつけ方が生まれた国によって違うのです。本の中で著者も「留学」を勧めています。
 私は初めこの本を英語の教科書だと思いました。しかしこれはビジネスの教科書です。これはスピーチや会社の議事録をまとめ、受身になって読むのではなく討論の材料になるような本です。皆さんも多くの人と出会えた大学で仲間と意見を交し合ってはいかがでしょうか?・・・きっと自分の成長に繋がるはずです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 倉坂美緒
感想投稿日 : 2010年9月28日
読了日 : 2010年9月28日
本棚登録日 : 2010年9月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする