★鬱屈感の表現★肩ひじ張らずにはいられない年配の女性編集長、自分が認められないいらだちを常軌を逸した方法で他人にぶち当てる中途入社の女性(自分の経歴も望んでいたように偽ってしまう)、お嬢様である妻の無邪気な生活感とそこにわずかに感じる主人公の違和感。人物設定と描き方がやはりうまい。推理小説としてはやや唐突感があるが、報われない人のやるせなさが新聞小説にフィットもしているのだろう。
吉川英治文学賞とのことで改めて読んだが、著者の本ならほかに素晴らしいものはもっとあるだろうに。もちろん面白いのだが。
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年10月27日
- 本棚登録日 : 2020年10月27日
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