十二国記完全版・エピソード3、「延王尚隆」の始まりの物語。
景王陽子の時代から遡ること約500年、戦国時代初期に滅びた小松氏の御曹司が主人公。
元は20年近く前に描かれた、ヤングアダルト向けの物語ですが、
今読んでも変わらずに面白く、一気に読んでしまいました。
延王も延麒も胎果の生まれで、何かを失くした「彷徨い人」、
『風の海 迷宮の岸』での泰麒との縁もこの辺に起因してそうです。
「俺はお前に豊かな国を渡すためだけにいるのだ」
その尚隆、昼行灯のようでいて、締めるところはしっかりしていて。
「国」を担うということの責任と想いがズッシリと伝わってきます。
その重みがあるからこその、終盤へのカタルシスはやはり、うまいなぁ、、と。
そうそう、麒麟と「血の穢れ」の相関性を描きたかったのとは思いますが、
結構容赦なく人が逝くのは、この頃の小野さんらしいといえばらしいような。
ん、治世の永久はあるのかないのか、、この先描かれることはあるのでしょうか。
500年後にも安定していることを知っているだけに、、さて。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2013年1月11日
- 読了日 : 2013年1月4日
- 本棚登録日 : 2012年12月22日
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