水村 美苗同様、私も子供のころ「若草物語」に夢中になった。ただ、説教臭がふんぷんとし、両親を中心に周りにひざまずく姉妹の挿絵とあいまって、「あるべき家族の姿」が白々しく思えてならないのに、なぜ何度も読んだのかがわからなかった。だが姉妹たちの絶えざる「良い子」への意志は、彼女たちの弱点を露呈させる役を果たしている、との水村の指摘に、その理由がわかった。虚栄心、怠惰、感謝の念の不足。姉妹の一人ひとりがどうその愚かさに関わるかに魅せられていたのだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
Literature
- 感想投稿日 : 2011年5月30日
- 読了日 : 2011年5月30日
- 本棚登録日 : 2011年5月30日
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