柳美里さん、名前はもちろん存じ上げていたのですが、いままで読まずにいました。
全米図書賞受賞もあり話題となっているので、初めて読みました。
この小説の語り手(主人公)は私たちの父母の年代。
平成天皇と同じ年にうまれ、早逝してしまう息子 浩一は令和天皇と同じ。私も同じ年生まれなので、まさに自分の生きてきたこの人生そのものとも言えます。
JR上野駅は、新潟県出身の私にとっても東京の玄関口、この国の首都、華やかな歴史の表舞台への玄関口とも言える場所。
しかし、その華やかな世界への入り口の周囲には、この小説に描かれているように、天皇制を軸とした正史には描かれない陰の存在が集う場所。
そういえば、私が子どもの頃は「皇室アルバム」なんていうTV番組も放映されていたなぁ。
父母の来し方、自分の来し方を振り返るよい機会を与えてもらったような気がします。
そして、あらためて、この国のありようを考え直さないと、と思いました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年3月7日
- 読了日 : 2021年3月5日
- 本棚登録日 : 2021年3月5日
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