センチメンタルな旅・冬の旅

著者 :
  • 新潮社 (1991年2月1日発売)
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感想 : 112
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昨日見て、泣いた。
もう一度今日見て、泣いた。

棺桶の中の陽子さん。荼毘にふされた陽子さん。
この姿を撮ってリリースしたことに対して、道徳的にも倫理的におかしいと思う人はいただろうし、これからもいるだろうと思います。

でも、これは、これでよいのだと思う。
なぜなら、それまでの荒木さんの写真集の中の陽子さんは
美しいだけではなく、食欲睡眠欲性欲を自然に放出していたのだから。自分という人間のAtoZをまとめた旦那さんに感謝していると思う。
きっと陽子さんは天国で、リリースしたことに対して最大の称賛賛美をしているだろうと思います。

どんな人にとっても平等にやってくる死。
一緒にいるだけで、それだけでうれしく幸せなのだということを
愛する人が生きている間に実感出来なきゃ。

経絡をつくように刺激し背中を押す写真集でした。

最近、フィルムを暗室で現像プリントする機会がありました。
暗がりの中で段々像を表す。
荒木さんがこの写真たちをプリントしている時、どんな気持ちで像が浮き上がるのを待っていたんだろうなとふと思いました。

キャプションがとてもよかったです。
写真と言葉は相関関係だな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 写真関連
感想投稿日 : 2017年2月7日
読了日 : 2017年2月7日
本棚登録日 : 2017年2月7日

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