ラスト・イニング (角川文庫 あ 42-8)

  • 角川グループパブリッシング (2009年1月24日発売)
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大満足。

以下、本文より
門脇秀吾には昔から、そういう所があった。真っ直ぐに、単純に他人を認められる。

こいつ(瑞垣)、すげえ。
そんなことは、とっくにわかっていた。今までの人生の大半を一緒に生きてきた。ずっと、一緒に野球をやってきた。こいつがどれほどのやつか、おれ(秀吾)が一番よく、わかってるじゃないか。

二度目はないですよ、瑞垣さん。
変わったのは原田やない。永倉の方や。

二度目はないですよ、瑞垣さん。
永倉か。そう、永倉だ。原田と秀吾の差は、永倉がいるかどうか。それなのか。

勝ち抜いていくことの妙味。 試合を潜る度に確実に加わっていく強靭な力。昆虫が羽化するように、脱皮するように育っていくチーム。指導者なら惹かれずにはおれまい。

「 うち、もうちょっとがんびってみて、どうしても嫌やったら、バレー止めて、バスケか陸上に入る。そう決めたんや。決めたら胸がすっとした。あのな、海音寺さんが逃げたらええって言うてくれたんよ、お兄ちゃん」
「嫌なところからはさっさと逃げたらえって。香夏 ちゃん、逃げられるんじゃろ。まだ余裕あるやんって。うち、それ聞いてあそうかって、逃げる余裕あるなって思うて、ちょっと涙出た。そいで、胸がすって軽うなった。ああいうことって、ほんまあるんやね。今まですごう重うてどうにもならへんって感じやったのに、たった一言でほんまに、すっと軽う
なるの」

いつの日か、(兄の)あの背中に追い付きたい。勝つとか負けるとかじゃない。そんなことじゃなく、、、。(青波)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年10月2日
読了日 : 2022年10月2日
本棚登録日 : 2022年10月2日

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