中国春画論序説 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年8月10日発売)
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本棚登録 : 42
感想 : 7
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中国の春画は日本とは全く違っていたので驚きました。少しもいやらしくなく、絵画として鑑賞するとかなり稚拙。しかしこの本の解析によると、そこには中国ならではの易の思想や宇宙観が数多く隠されていて大変興味深く見ることができます。日本の春画は主に劣情を煽ることが目的ですが、中国の春画はむやみな射精を良しとしない「還精補脳」を理想とした房中術に基づいている。だから猥褻さは必要としないという仮説には納得させられました。盛りだくさんの内容で中国の歴史や古典の知識がないと厳しい面もありますが、奥深い世界を味わえる本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 講談社学術文庫
感想投稿日 : 2013年2月1日
読了日 : 2013年2月1日
本棚登録日 : 2013年2月1日

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