困ってるひと

著者 :
  • ポプラ社 (2011年6月15日発売)
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本棚登録 : 3576
感想 : 767
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図書館で借りて読んだことを少しばかり後悔した1冊。

この本は買うべきだと思う。

それがわたしにできる、大野さんへの応援だと思った。

彼女に比べたら、今わずかばかり抱えているわたしの痛みや辛さなど、取るに足らないものだけど、それでも本人には切実で。

でも彼女の手記を読みながら、痛みや辛さの大小の話ではなく、さらにそこから大きな希望と、なにより「生きたい力」を感じ取り、いい歳しながら彼女の体験に励まされ、勇気をもらっている次第です。

「彼」さんとのやりとりが、わたしにはとっても印象的で、人間、結局のところ「人」で生かされる・・・もちろん、大野さんが動いた結果が、諸名医との出会いでしょうし、お友達との出会い、それらを引き寄せたと思いますが・・・なんでもいい、「生きたい」と願ったとき、人は生きていけるものだと思う。

「生きたい」理由を、わたしも早く見つけたい。

もうひとつ。

わたしは常に思っていることですが、大野さんがお付き合いしていくことになったこのたびの難病。

これほどまで過酷な病状を受けることになった大野さんには、この病気と闘うこと、そして何も知らない私たちに伝えていくこと。
それは誰にでもできることではないし、大野さんだからできる使命なのだと思わずにはいられません。
その人に必要な「難」、その人だから乗り越えられる「難」、乗り越えてもらいたい「難」
乗り越えられない人には、それさえ降りかかってこないでしょうから。

文章にして読むだけでも辛い検査や治療の描写です。
体験しているご本人が一番辛いのは言うまでもないでしょう。
それをあれだけコミカルに、若さ溢れる大野さんの言葉で、テンポよく。
それが逆に大野さんの辛さを想像するに余りあります。
渾身の文章だと思います。

わたしにとって、2011年ココロのベスト。
出会うべくして出会った1冊。

今講演活動等、とってもお忙しくされているようなので、
本当にお身体、くれぐれも大切にしてほしい今日この頃。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ココロのランキングベスト
感想投稿日 : 2011年9月1日
読了日 : 2011年8月25日
本棚登録日 : 2011年8月26日

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