キャベツ炒めに捧ぐ

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2011年9月1日発売)
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本棚登録 : 1322
感想 : 229
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思い出したように書評家・藤田さんオススメを。
なにしろ2011年12月を参考だったので、
図書館で無競争で借りることができた1冊。

借りてから気づいたのだが、
この方「つやのよる」の著者?
(しかしながら2013年2月13日現在wikiの作品一覧には本作品はなく・・・)
しかも、つやのよるのほうが旧作なんだ。なるほど。

わたしにとっては初・井上荒野作品となるが、
読み始めて、登場人物が60代だと知り、はて、この先うまいこと読み進められるかと心配だったが、そこは心配無用。むしろ、3人の登場人物それぞれに共感できる部分も多かったし、感情移入できるとは、意外だった。

明らかに、自分の、これから歩んでいくだろう人生を、先に歩んでいる彼女たちの生き方。人生の断片の物語だったので。

加えて「かもめ食堂」や「かたつむり食堂」、「しあわせのパン」とまではいかないまでも、「お惣菜」として「料理」や「食材」が物語の中にエッセンスとして登用される。
この組み合わせが案外新鮮だった。
設定も私たち世代に限らず、むしろもっと上の年代の女性にはもっと楽しめるのでは。
でも不思議なことに、出てくる3人ともに、なんとなく「おばさん」の匂いが感じられないのは、著者自身が若いから?謎。

「つやのよる」は映画で観てみようと思っていたけど、
こうなってくると原作も読んでみたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 書籍
感想投稿日 : 2013年2月13日
読了日 : 2013年2月13日
本棚登録日 : 2013年1月11日

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