昔みて、理由もわからずなんか好きだなと思った作品。
ヴェンダース作品の中では一番好きだったかも。
今見ると、なんだろう。
あまりにフラットで生活感がなくて、ちょっと不思議な感触の映画だなと思った。
例えば、アリスは「こんなものは食べたくない、もっとまともなものが食べたい」というようなことを言うが、何を前にこんなものと言い、何をまともなものと捉えているのかが見えづらい。
その視点の遠さがこの映画の魅力のひとつな気がする。
全てがただ、あるのだ。
うまく表現出来ないが、「異常さ」や「狂気」みたいなものがここまで全く感じられない映画も珍しい気がする(フェティシズム的なものも含めて)。
凪の海のような平らな目線でどこまでも進んでいくような印象を持った。
体操やおよぎながらののしり合うシーンはなんとなくカサヴェテスのハズバンズを思い出したが、ずっと静かでおくゆかしく(ハズバンズの友人葬式後のこれらのシーンも大好きだ)、これはこれで見惚れてしまうあいらしさだった。
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- 感想投稿日 : 2013年2月26日
- 読了日 : 2013年2月26日
- 本棚登録日 : 2013年2月24日
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