日本の風俗嬢 (新潮新書 581)

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  • 新潮社 (2014年8月9日発売)
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女性が肉体と性を売ることで、ヤクザからの借金を返す。風俗業のそんな反社会的なイメージはもはや一昔前。今の女性は自ら積極的に風俗業界へ「就職」し、「賃金」を稼いでいるのだ。

働いていることを他人へ言えないかもしれないが、それを除いた労働環境を考えると、若い女性にとっては魅力的な職業だ。資格・経験不要、完全能力給、社内の付き合い不要、即金払い、急な休みも可、週イチでもOK。副業にするなら、悪くない。だから、学生や主婦、シングルマザー、介護職員など、意外に就職希望者は多い。その結果、だれでも稼げる業界ではなくなった。自己を売り込む営業努力が必要だ。

こうして、それなりの求職者が発生する業界になってしまった風俗業界。昔のようにアンダーグラウンドとして放置するのではなく、労働法に則った公的規制が必要だと、著者は唱える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2015年4月20日
読了日 : 2015年4月20日
本棚登録日 : 2015年4月20日

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