プロ野球「衝撃の昭和史」 (文春新書 881)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年10月19日発売)
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感想 : 20
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日本プロ野球界における知る人ぞ知るエピソードをまとめたウンチク本。「昭和史」という大げさなタイトルをつけているが、単に昭和に起こったエピソードを取り上げているだけ。昭和史ではなく、「昭和の事件簿」というべきだ。

と、過剰なタイトルに不満はあるが、プロ野球界の意外なこぼれ話は読んでいて楽しい。写真付きで紹介されるロッテのカネやん監督の大乱闘には爆笑。監督が先頭を切って相手チーム選手に殴りこみ、反撃を食らうという、今じゃ絶対に起こりえない出来事だ。また、巨人選手時代のジャイアント馬場についても、知って損のないトリビアだ。

で、中でも一番の意外性は、背面投げ投手のこと。全盛期のスラッガー王貞治に対し、奇策として背中からボールを投げた投手がいることは有名。この選手、てっきり目立ちたがりの三流投手だと思っていたのだが、最多勝や沢村賞も獲得し、背面投げを披露したシーズンも20勝をあげている、実力のある投手だったのだ。その人の名前は小川健太郎。寂しい引退劇を含め、本書で紹介されるこの人の経歴は異色すぎる。「背面投げ」投手という紹介だけではもったいない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ
感想投稿日 : 2015年9月7日
読了日 : 2015年9月7日
本棚登録日 : 2015年9月7日

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