AV女優を職業として考えてみる。ハローワークには登録されることのない仕事だが、求人募集は頻繁。労働時間は1日だけの拘束。携わるスタッフは、後で警察や弁護士の世話にならないようコンプライアンスを徹底した労働環境を作り出す。
また、働く本人にとって、なにはともあれ「女優」の仕事だ。注目を浴びて、誰かを喜ばせて、ほめられる。そんな満足感、高揚感を得られるという仕事はなかなか存在しない。
そう考えると、同じ裸をさらすなら、風俗よりはマシと思える。著者曰く、意外と就職希望者は多いらしい。本書でインタビューに応じる関係者も、AV女優業について比較的ポジティブな意見が多い。
が、それはかつての話だ。就職希望者が増え、AV女優の賃金は下落。レンタルビデオ店の減少とともに活動の場も少なくなり、とりあえず事務所に名前を登録しただけの自称AV女優がほとんどらしい。当然ながら反社会的な事件に巻き込まれることもある。
ではこれから、AV女優は仕事に対してどう向き合うべきか。いつまで勤められるのか。退職後の人生設計はどうなっているのか。
結局、AV女優業はなくなることがなく、一定の需要はあるだろう。経験を退職後の人生に活かす元AV女優もいる。が、それはかなり狭き門。著者の結論としては、就職すべき職業ではない、だ。
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カテゴリ:
新感覚
- 感想投稿日 : 2021年1月19日
- 読了日 : 2021年1月19日
- 本棚登録日 : 2021年1月19日
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