SENSE

アーティスト : Mr.Children 
  • TOY'S FACTORY (2010年12月1日発売)
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感想 : 76
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SENSE
Mr.Children

前作のSUPERMARKET FANTASYから約2年くらいになるのかな?今回は前作とは違い、1曲もシングル曲がない(配信はあるけどね)。だからどんなアルバムになるのか凄く期待してた。前作のSUPERMARKET FANTASYはミスチルのメッセージがシングル曲とアルバム収録曲で極端に違っていた。シングル曲は、優しさや労りを歌いどの曲も心が和やかになる曲ばかり。一方で、アルバム収録曲は、消費者に対するメッセージ。つまりミスチル(俺たち)は、コレを望んでるんだ!ただの消費じゃない、そこには批判めいたこともあった。そこのバランスが非常にとれている作品で自分としても「次」というのがすごくどうなるのか気になっていた。

その当時は、ミスチルはもう行くところまで行ってしまったんじゃないかという終焉に近い印象があった。だから「次」のアルバムに対する期待も強かったが不安もあった。どういう風に楽曲を構成するのか?

このSENSEというアルバムは、SUPERMARKETにはない人の優しさや大切にしないといけない何かを歌って希望に満ちたものと、SUPERMARKETに売られている消費物に対するアンチテーゼとの融合をうまくぶちこわした作品だと思う。

「おいおい、お前言い訳ばっかしてねーか?そりゃ、優しさや大切にすることはあるよ。夢だってあるはずだ。でもちゃんと自分を見ているのかい?」という問いかけがなされていた。一曲目の「I」から「HOWL」あたりまではそういう曲。

そして、「365日」や「fanfare」といった希望に満ちた曲もおり混ざっている。つまり、「それでも、自分を鼓舞してがんばろうよ」といったメッセージが込められている。

全体を通してSUPERMARKET FANTASYのようなすごく大衆向けの曲とは言い難いかもしれない。それはシングル曲がないから。

しかし、そのハンデをものともせずに作り上げたミスチルの力と小林武史のプロデュースはすごく連携がとれている。

ミスチルの進化を垣間みたアルバムである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 音楽
感想投稿日 : 2010年11月30日
読了日 : 2010年11月30日
本棚登録日 : 2010年11月30日

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