若竹七海さんの作品の中で好物のキャラ、葉村晶と、「昼あんどん」的風貌、実は切れ者キャラ、小林警部補が、交互に登場する短編集。
葉村晶シリーズのシニカルな語り口は、相変わらずパワーが落ちていない。その物言いには苦笑させられるが、それでも気持ちいいのは、ファンの心の声の代弁者だからだろうか。
例えば「ロバの穴」では、事件関係者が「父のことでお話をうかがわせていただきたいんです。ご迷惑でしょうけれど」。語り手(葉村)は「迷惑とわかってるなら声をかけるなと言いたかったが、好奇心が邪魔をした」と。ほとんど揚げ足取り。
そして、よせばいいのに葉村が事件に巻き込まれていくのは、その好奇心のなせるわざ。あげく、実の姉に殺されかけるという、なかなかハードな事件に遭遇するのだ(トラブル・メーカー)。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
女探偵
- 感想投稿日 : 2017年9月4日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2017年8月25日
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