かなえられない恋のために (幻冬舎文庫 や 4-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (1997年6月1日発売)
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本棚登録 : 314
感想 : 23
3

読みやすくて面白かった。
もう30年も前の文章だが、今と違うと感じることより、今も同じか、と感じることの方が多かった。
共感したり自分とは違うと感じたり、新しい視点をもらったり、日常の中のものを捉え直したり。エッセイの良いところがたくさんあった。
以下印象に残った話。

・エイズ検査
もし陽性だったら、自分に残された時間が限られたものであると強烈に感じたら。自分は一体何をするだろう?という話。
・猫の古墳
人の目を気にせず、ただ自分がそうしたいから、夜中に猫のお墓を掘る両親。
・男の涙
自分はよく仕事で悔しい思いをしたり失恋して泣いたりするけど、男の人のそういう姿も見てみたい。
・負けず嫌いな人
恋愛はバトルだという人がいるが、結局は自分とその相手の人間関係で、そこに勝ち負けを持ち込んでもどちらかがつらい思いをするだけ。
・古い壺を磨き続ける
新しい本を読むより、お気に入りの本を何度も読み返す方が好き。それでいいと気づく。
・三十歳になるまで症候群
三十歳になるまでにいろいろなことを経験しておきたい、という世間の共通認識。
同い年のハリウッドスターと自分を比較する。
若いということに油断していて、スターは山を登っているにも関わらず、自分は麓で遊んでいた。
山に登り始めないと、いろいろ挑戦しないと、その体力もなくなってしまう。
いつか山に登ってみたいと思っていたけど、どの山に登ればいいかわからないし、麓で遊んでいる方が楽しい。
だけどその差が眼前に現れた。
三十歳というのは大人で、若さを失えば代わりに魅力を得られるものだと思っていた。
若さに油断せず、挑戦していかなければならない。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月2日
読了日 : 2024年4月2日
本棚登録日 : 2024年4月2日

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