十三の冥府 上 (文春文庫 う 14-7)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年11月9日発売)
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感想 : 10
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ひさしぶりに読んだ浅見光彦シリーズ。なかなか面白かった。

名前こそ変えているが、「東日流外三郡誌」をモデルにした青森県の古代史を題材に使い、事故死、病死と思われていた事件が、ある巡礼の殺人事件をきっかけに、浅見の手により次々と明らかになっていく。そして地元の若い女性の悲しい出生の謎も解き明かされていくが、その女性はその真実を知ることはない・・・。

やっぱりこの人は上手いなあ、とうならされる。ちょっと長くて読み応えがあったが、全編に流れる旅情、悲しみ、そしてたくみに張り巡らされ、解き明かされていく謎。日本ならではのすばらしいミステリー作家である。

ちなみに、テレビでもよくシリーズ化されているこの浅見光彦シリーズ。今Wikipediaで見たら、歴代多くの俳優が浅見を演じているが、私の中で定着しているイメージは榎本孝明さんである。あのちょっとお坊ちゃんぽい品の良さが実にぴったりだった記憶があるのだ(笑)。

そして青森にも行ってみたくなる。東北は未知の世界だが、最近けっこう興味がわいてきているのだ・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2010年12月24日
読了日 : 2010年12月24日
本棚登録日 : 2010年12月24日

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