2006年上半期直木賞受賞作。東京都のはずれにある「まほろ市」で「多田便利軒」という便利屋を営む多田啓介と、そこに居候をしている高校の同級生行天晴彦の日々を描く。彼らは便利屋家業で、親に省みられない小学生、生まれた病院で取り違えられた青年、ヤクの売買をするヤクザ、虐待しされていた両親を殺した友人の逃亡に手を貸す女子高生、駅裏の娼婦など様々な人々と関わり合う。主人公の多田は、高校の時に行天が大怪我をしたのは自分のせいだという過去の傷と向かい合いながらも、飄々とした態度の行天とともに過すうちに、「失ったものが完全に戻ってくることはなくても、幸福は再生する」ものだという確信を掴むことができる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(日本) 913
- 感想投稿日 : 2012年2月6日
- 読了日 : 2012年2月6日
- 本棚登録日 : 2012年2月1日
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