約束の旅路 デラックス版 [DVD]

監督 : ラデュ・ミヘイレアニュ 
出演 : シラク・M・サバハ  ヤエル・アベカシス  ロシュディ・ゼム 
  • ジェネオン エンタテインメント
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感想 : 14
5

エチオピア系ユダヤ人。古代イスラエルが分裂した時に、アフリカへ逃れた人々の末裔。知らなかった。
http://courrier.jp/news/archives/1266/
あの難民キャンプで、バスに乗れるか乗れないかは、ユダヤ教徒かキリスト教徒かで決まっていたのか。
お母さんは、十字架を首から提げてたもんな…。あの難民キャンプにいたら、息子が生き延びる可能性はほとんどない。だから、息子を手放したんだ。
キリスト教の家に生まれた子なら、割礼の跡は無いよね?どうしてばれなかったんだろう?
→普通に、割礼前のユダヤ人少年だと思われていたのね。
割礼のためにユダヤ教の教会?へいくシーンがある。
なんか、何かが起きて未遂ですんだけど。
エチオピア系ユダヤ人の抗議活動っぽい。

「シャローム」はヘブライ語だったのか。

子供時代を強制的に終わらせられて、一足飛びに大人にならざるをえなかった子の視点から見た普通の人、マジョリティは、なんて間抜けなんだろう。
目の前にいる哀れな子供を理解することすらできないのに、自分は優れた善人だと思っている。
この子が生き延びられたのは、人並み外れた知性を持っていたからだ。
子どもが生きていくためには、その子を理解する人が必要だ。

長年ヨーロッパで差別されてきて、その総仕上げでナチスにされたことを思うと気の毒でならない。でもそんな歴史を背負ったユダヤ人が、パレスチナ人を彼らの土地から追いやって、同じユダヤ人である同胞を肌の色で差別している。ユダヤ人は気の毒だけど、嫌われるのも、正直わかる。
私はユダヤ人を政治的な視点からばかり見過ぎているのかも。全てのユダヤ人が差別主義者なわけないし、パレスチナ問題はやり過ぎだと考えているユダヤ人も一部にはいると聞いたことがある。主に知識人階級で。

パリへ行って、医師資格を取るあたりは、孤独にさいなまれてはいるけど、かなりとんとん拍子だな、と思って見てたら、そうか、イスラエルって兵役があるんだよね…。

ご都合主義的な展開もちょいちょいあったけれど、エチオピア系ユダヤ人の苦難と希望を伝える良い映画だ。

監督のインタビューも良かった。特にアイデンティティについて。
自分が誰かという問いは、自分と世界との関わりを問うことだ。
人は孤立して生きることはできない。
自分を見失っている時には、破滅的な選択肢しか選べない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 多言語多読
感想投稿日 : 2017年11月8日
読了日 : 2017年11月8日
本棚登録日 : 2017年11月8日

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