実に大和魂な(=旧大英帝国パワーな)エンカレッジ本。「天は自ら助くる者を助く」をベースに、おびただしい量の成功者事例を紹介しながら徹底的に「努力即ち成功」をインプットしてくる。凄まじい圧力が逆に清々しく生半可なビジネス書を読むよりやる気は出る。明治時代に日本では「西国立志論」として翻訳されたらしく、時代が大きく変わった明治の若者たちを如何にして刺激したか、想像に難くない。余談だが、ここの著者の翻訳は口が悪くて好き。平気で落ちこぼれとかノロマとか途方もない大バカ者とか言っちゃう。ただし、ちょっと貧困を努力の培地として賞賛しすぎてて、普通の家庭で育った自分にとってはちょっと腹落ちしない部分はある(執筆された時代的に仕方がない気もするが)。
二つほど、心に留めるべき文があったので、ここに記す。
豊かで恵まれた家庭に育ちながら、なおもその時代に重要な役割を演じることができた人間、つまり、快楽に満ちた生活を軽蔑し、毎日を勤勉に生きた人間こそ、いっそう尊敬に値するといえよう。
確固たる目的や目標を持っていれば、勉強も実り多いものとなる。ある分野の知識を完全にマスターしていれば、いつでもそれを活用できる。この点から言えば、単に本をたくさん持っていたり、必要な情報を得るには何を読んだらいいかを知っていたりするだけでは十分といえない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
論説
- 感想投稿日 : 2021年2月26日
- 読了日 : 2021年2月26日
- 本棚登録日 : 2021年2月26日
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