小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2015年5月16日発売)
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感想 : 84
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過去の料理研究家たちの系譜が、女性の生き方の変化と共に説明されている。
全体としてはとてもよくまとめられているのだが、所々、著者の勇み足というか、思い込みのようなものが見受けられる。

例えば以下の様な箇所。

1.ケンタロウのから揚げのコツについて(124ページ)
”「鶏肉は一件ものすごく扱いやすそうなやさしい素材に見えるけれど、実は肉の中で最もといっていいぐらい火の通りが悪いのだ。優しい外見に惑わされると、外はいい色、中は生、というイタイ目にあう」
鶏肉をキャラクターに見立てて解説している。コンピューターゲーム世代がおとなになったこの時期、若い世代にふえた言い回しだ。”

このケンタロウの文章をどう読めば、鶏肉がキャラクターになるのか。しかも『若い世代にふえた言い回しだ。』とは?特に若い世代にふえた言い回しとは思えないのだが。

2.栗ごはんについて(148ページ)
”<前略>、日本人のソウルフードである栗を使った「栗ごはん」なのである。”

一体いつから、栗が日本人のソウルフードになったのだ?

それにしても、なぜか栗のレシピが多い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年9月27日
読了日 : 2017年9月27日
本棚登録日 : 2017年9月25日

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