殺人者の顔 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M マ 13-1)

  • 東京創元社 (2001年1月25日発売)
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本棚登録 : 618
感想 : 102
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 小説それ自体の魅力もさることながら、翻訳の質が非常に高くて、大好きなシリーズです。中年刑事ヴァランダー警部のよれよれとした情けなさも魅力的。1作目を久しぶりに読み返してみると、まだ登場人物たちのキャラクターが定まってなくて荒削りなところもあるなあと思ったけど、そこがまた魅力に思えてしまうあたりヘニング・マンケルの中毒かもしれん……。っていうかヴァランダーがこんなにアクティブだったなんて……すぐコケて血出してるけど。
 捜査の進行状況を丹念に追う筋もさることながら、中年期にさしかかり、色々なものが手からこぼれていく人生の秋をけなげに生きるヴァランダー警部が好きです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: おもしろかったミステリー
感想投稿日 : 2012年4月1日
読了日 : 2012年4月1日
本棚登録日 : 2012年3月31日

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コメント 2件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/04/03

「よれよれとした情けなさも」
ヘニング・マンケルは知人に薦められて読んだます、人間が描けているし、ちゃんとレディ(って言って良いですよね)のハートを射止めるところも好きです!

尾崎さんのコメント
2012/04/04

ヴァランダーはやる時はやる人ですよね(^^)
たしかにスウェーデン・ミステリの中でもマンケルの人間の描写力は傑出してますよねえ。あと、無理に大団円にもっていかないところも好感度大かもしれません。

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