ミクロの決死圏 (ハヤカワ文庫 SF 23)

  • 早川書房 (1971年4月1日発売)
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本棚登録 : 175
感想 : 15
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1966年、ハリー・クライナー脚本デヴィット・ダンカン脚色、リチャードフライシャー監督によるSF映画をSF作家のアイザック・アシモフがノベライズしたのが本書。
体内に縮小された潜水艇によって患者の体内に潜入して手術不可能な病巣を体内で直接治療するといった斬新な発想とSFプロット、暗躍する暗殺者のスパイアクション仕立ての導入部から潜航艇内で何者かによる妨害工作が続き、チーム内に敵のスパイがいるのではないかと互いに疑心暗鬼になる密室劇的要素や次々と起こる不測の事態の克服といったサスペンス要素を盛り込んだストーリーはSF作品に新たなジャンルを築いた名作。
人や機材を縮小させることは無理でも、 医療ロボットを体内に入れて治療する「ナノ医療」が実際に研究され、実用化されている現在。昔読んだSFのスチュエーションが現実になリつつあると不思議な気がしさえする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノベライズ
感想投稿日 : 2013年8月31日
読了日 : 2011年3月16日
本棚登録日 : 2011年3月16日

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