PK

著者 :
  • 講談社 (2012年3月8日発売)
3.25
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本棚登録 : 5189
感想 : 712
4

久しぶりに好きな伊坂作品。とは言え、もう一度読みはしないと思うけれど・・・。

色々な人物の視点で描かれやがて収束していく、といういつものパターンなのだけれど、一話の中の時間軸がちょっとややこしかった。うーん。


三つの話が繋がっているところが魅力かな、と感じました。
「超人」は、それ単体だとあまり面白みが感じられなかったけれど、「PK」からの流れで「ん?」と思わせ、「密使」で「おー!」と思わせてくれた。(抽象的すぎますね)
けれど、三つの繋がりがすっきりと分からないあたりが今までと少し違うかもしれません。読者に委ねられている部分が多いですね。嫌いじゃないです。(でも誰か解説してくれたら嬉しい。)

一押しは「密使」かな。これぐらい軽く読める話が好きです。


いつものように名言もありました。
PK「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する。」
伊坂節健在!好きだ!


名言とは少し異なりますが、
「あなたの今までのやり方よりも、より効果的に、求めていた結果が得られます」
の使いどころがにくい!こういうところも伊坂節ですね。好きです。


印象的な場面を、「密使」から。
「どこかの幼児とつながった。(中略)何も見えないながらも、巨大な何者かの腕で抱えられたのが分かる。聞こえるはずのない歓声が鳴っている。(中略)時間の流れが変わり、私は死ぬ。そうなるはずであったのに、私はまだ、いた。掬い上げられた。遠くの歓声はまだ止まない。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年2月20日
読了日 : 2013年2月19日
本棚登録日 : 2013年2月20日

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