2017年、19冊目は、約1年半振り『爛れた闇』以来の飴村行。120p前後の中編2本収録。
水銀のエンゼル:チョコボールのCM、「銀のエンゼル」のパロディー的タイトル(?)。医大を中退した藤村晃介は、新人作家。やっと、仕事が軌道に乗り始めたために上京。その住まいの隣には、偶然にも彼のファンの女性が住んでいた。
路地裏のヒミコ:大学卒業後も、ネオモラトリアムな生活を送る大輝。大学からの彼の友人でミュージシャン志望の茂夫。二人は25年前、預言者として地域のカリスマであった「ヒミコのオッサン」の、その後を追いかけるようになる。
飴村行と言えば、『粘膜』シリーズ。そこで見せた、エロ、グロ、暴力、冒険の飴村流エンターテイメントは今回抑えめ。逆にコミカルな部分が前面に出ている印象。どちらかというと『爛れた闇』の感触に似ている。『粘膜』シリーズ好きには正直、物足りない。逆に、飴村行入門編にはイイかも、といった感じ。
個人的に一番残念なのは、2本ともクライマックスでヒネって、オチ。このヒネり方、オチのパターンがあまりに近すぎるコト。その辺考慮して、ギリギリ★★★☆☆。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月5日
- 読了日 : 2017年5月4日
- 本棚登録日 : 2017年5月1日
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