障害のあるこどものことを,学校の先生がほかのこどもたちにどう説明するか,という問題に正面から真剣に考えるこの本。
実際に,広汎性発達障害やADHD,学習障害,精神遅滞,ダウン症などさまざま障害をもつこどもたちについて,保護者や先生方が説明を行った例を日本国内で何百例も集めて,それらのなかにほぼ共通して含まれる12の要素を抽出してそれぞれ例を挙げながら解説しています。
告知・説明の今後の課題として,EBE(Evidence-Based Education)…その説明を行うことでほかのこどもたちの理解が高まったり,当事者のこどもとの摩擦・衝突が減ったり,その子への見方がプラスの方向へ転じたりしたか,という説明を行った目的の達成度をきちんと評価して,説明の結果を検討することが重要になるだろう,という点にも触れられています。
そして何より大切なことは,説明される当事者のこどもに対しても,説明を聞くこどもたち一人一人に対しても「決してあなたをひとりにはしない」というメッセージが伝わることだ,と…。
本当にそのとおりだと思います。
こんな素晴らしい本が3年も前に出版されていたなんて…。障害をもつこどもさんの保護者の方や,学校の先生みなさんに,そして医療・福祉など幅広い支援職のみなさんにも,ぜひ一度読んでいただきたい本です。
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- 感想投稿日 : 2008年11月30日
- 本棚登録日 : 2008年11月30日
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