「戦地の図書館」に続き、戦火の中の本シリーズということで読んでみた。「戦地の…」がナチス・ドイツと戦う米軍と本の関係で、こちらはナチス・ドイツに虐げられた人々と本の話。前者が攻撃のための武器としての本なら、こちらは防御のための武器、だろうか。
プロパガンダのための家族収容所や収容所内学校のことは知らなかった。そしてそこで本が人の心の支えになっていたことも。命の危険を冒してまで本を渇望する境地ってどんなだろう、と考えてみたけれど正直想像が及ばない。
史実に基づいたフィクションということだけど、エンタテインメント性が高くて物語にぐいぐい引き込まれ、登場人物たちの行く末にハラハラしつつ、人類史上最悪の人道犯罪の実態をあらためて知ることができた。山崎豊子タッチとでも言おうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2017年3月20日
- 読了日 : 2017年3月19日
- 本棚登録日 : 2017年3月20日
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