暇と退屈の倫理学

著者 :
  • 朝日出版社 (2011年10月18日発売)
4.20
  • (324)
  • (236)
  • (126)
  • (24)
  • (3)
本棚登録 : 3052
感想 : 314
5

久しぶりに読んだ前提知識なしにどこまでも深く読めるという太い本だった。大作だと思った。知識として第二章の定住革命のところは驚きを感じたし、最終章から結論に至るまでの展開はスリリングだった。著者の価値判断が挟まることが通常であれば面映くも映るものなのだが、この著者の語り口にはそういったところが感じられなかった。一周回ってハイデガーの実存主義を体現しているかのような気にもなった。
消費と浪費の考察は広告やにとっては耳の痛い問題であるし、俺自信にとっては教育系へと移行したのなら、贅沢のための教養を志向するという具体的行動指針をもらったような気にもなった。
多義的な解釈が出来るための材料がちらばっていて素敵な本なので、輪読にもいいかもしれない。新年初頭から豊穣な読書体験となった。風呂でちまちま1章ずつ読んだけど出来れば1日で一気に読み進めたほうが興奮度が高いかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: また読みたい
感想投稿日 : 2012年1月3日
読了日 : 2012年1月3日
本棚登録日 : 2012年1月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする