尼さんはつらいよ (新潮新書 453)

著者 :
  • 新潮社 (2012年1月1日発売)
2.89
  • (2)
  • (6)
  • (18)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 96
感想 : 18
3

著者は一般的にイメージしている尼さんとは違い、僧籍をもった研究者。実際、寺に住んで坊主らしい生活をしている「尼さん」は人数的に多くないらしい。男性でも同様に「なんちゃって」な人が多くいる。僧籍もどちらかというと「資格」に近く、司法試験に受かった人が一生を検事や弁護士として生きるのではないのと同様に、僧侶もいろいろな事情でやめてしまうことがあるというのが、少し意外だった。その中で、僧籍にあっても僧侶としての活動ではなく、著者のような研究者としての活動をメインとする人も出てきている。著者自身はお布施で生活しているわけではなく、公演や出版から生活の糧を得ているのであろう。それで儲けを出そうとしているわけではないけれど、一般の経済活動の中で生きているわけだから、やっぱりアウトローではある。■尼さんについては、「世をはかなんで」出家すると、世俗以上に生きづらい業界なので基本的にはオススメしないというスタンス。人を救いたい人は尼さんに、救われたい人は在家のまま寺に通うなどしたほうが幸せになれるとのこと。寺の嫁(著者が批判している何もしない嫁)も幸せそうだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2012年6月3日
読了日 : 2012年6月3日
本棚登録日 : 2012年6月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする