ノーラ・ウェブスター (Shinchosha CREST BOOKS)

  • 新潮社 (2017年11月30日発売)
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本棚登録 : 152
感想 : 14
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40半ばの女性が、夫の死によって自分が何者でもないことに気づき、自分を見出していく話、として共感して読んだ。これが自伝的作品とは、作家とは何者にでもなれる人なのだな。新しく得た仕事や趣味で突出して成功するわけではない、恋のドラマが花咲くわけでもない。ささやかな一歩を踏み出す普通の人生だが、ノーラの矜持が心地よい。特別な母親ではない、頑固でとっつきにくい、でも周囲の人にはなんとなく一目置かれている彼女のキャラクターがさりげなく描写されている。
音楽への言及も興味深かった。ベートーヴェンの大公、ノーラの愛聴版を聞いてみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外
感想投稿日 : 2018年3月5日
読了日 : 2018年3月5日
本棚登録日 : 2017年12月30日

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