何かと話題になるので読まねばなるまいと手に取った。辞典の掲載で記述はシンプルだし、「2666」に比べれば遥かにリーダブルだが、本書も密度は濃い。どこまでがフィクションなんだ…もとい膨大な人物名や著書名のほぼすべてがフィクションなのだとしても、リーフェンシュタールも、ピノチェトも、ギンズバーグも実在の人物だ。「リーフェンシュタールとエルンスト・ユンガーのセックス」などをしれっと紛れ込ませるところはただものではない。
ナチシンパから比較的穏健そうな右傾派まで大なり小なり多様な「ヤバさ」を抱えた作家たちが淡々と紹介された最後に、ボラーニョなる人物がもっとも凶悪そうな「ラミレス=ホフマン」を情緒的に語る、その構造も見事だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外
- 感想投稿日 : 2016年6月20日
- 読了日 : 2016年6月20日
- 本棚登録日 : 2015年7月30日
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