いちご同盟 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (1991年10月18日発売)
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中学三年生の良一は、高校受験や
自分の将来に悩み、死さえ考えたー。
同級生の野球部のエース・徹也を通じて、
重症の腫瘍で入院中の少女・直美と出会うー。


良一が小学5年生の時、近所のアパートで、
小学5年生の少年が飛び降り自殺をした。
ピアノを弾いて無口だが、自分の世界を持ってる良一。
受験や将来に悩み、少年が自殺し場所に何度も足を運ぶ。
自殺に憧れているー。
その少年の気持ちがわかるような気がしていた…。
ある日、野球部のエース・徹也に撮影を頼まれた事がきっかけで、
徹也の幼馴染の直美と知り合う。
直美は、重症の腫瘍で入院中だった。
野球の試合に全力を尽くして直美を力づけてる徹也。
良一も、直美の見舞いに行き話し相手となる。
いつしか、惹かれあう良一と直美。

ガラス細工の様に繊細な良一の心にヒリヒリ。
自分の命はもう長くないと悟っている直美も切ない。
人気者で優しく明るく振る舞っているが、
繊細な感情を持ってる徹也も切ない。
良一と徹也の友情も美しかったし、直美の心も美しかった。
良一は直美を通して「死」を真正面から感じる。
そして、それは同時に「生」を考える事だった。

中学生の危うく繊細な心を平坦に美しく描いていました。
15歳で読みたい作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春小説
感想投稿日 : 2016年3月3日
読了日 : 2015年12月11日
本棚登録日 : 2015年8月1日

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