慈雨

著者 :
  • 集英社 (2016年10月26日発売)
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本棚登録 : 1592
感想 : 254
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群馬県警で42年の警察官人生を終え、定年退職した神場智則。
妻の香代子と四国八十八カ所の歩き遍路の旅に出た。
警察官人生を振り返る旅の途中で、幼女殺害事件の発生をしり、動揺する。
16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件に酷似していたのだ。
神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件にーー。
元部下であり、娘の彼氏でもある緒方を通して捜査に関わり始めます。
そして、消せない過去と向き合い始めるーー。

四国八十八カ所を巡礼している様子。お遍路の途中での人との出会い。
妻・香代子とのやりとりや二人の長い歴史や過去。
娘への思い…娘と緒方の付き合いを許せない気持ち…。
それらが丁寧に描かれていた。
特に16年前に神場の心に深く刻みこまれた傷や後悔。
自分と向き合い、正義とは何かを問いかける神場。
その心理描写がとても丁寧で、読んでるこちらも胸が苦しくなる程でした。
妻の香代子がとっても素敵でした(*´ `*)
そして、最後には涙が零れそうでした。

自分の人生に後悔を抱えていない人は少ないと思います。
大きな後悔を抱えてきた人がどう生き直すのか問いかけられていました。
また、頼るべき存在で心の拠り所の警察組織。
その警察組織が上っ面の正義だけを守る組織であって欲しくない!
隠蔽体質は変わった欲しいって思った。

「ずっと晴れとっても、人生はようないんよ。日照りが続いたら干ばつになるんやし、
雨が続いたら洪水になりよるけんね。晴れの日と雨の日が、おなじぐらいがちょうどええんよ」
とっても印象的で心に残る素晴らしい言葉でした。
お遍路さん行きたいって思いました(*Ü*)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察ミステリー
感想投稿日 : 2016年12月9日
読了日 : 2016年12月9日
本棚登録日 : 2016年11月27日

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コメント 2件

あいさんのコメント
2016/12/26

こんばんは(^-^)/

しのさんと感動しているところが同じで嬉しいです。
おばあさんの言葉、香代子さんの素晴らしさよかったですよね。
後悔を抱えていない人はいない、そうですよね。
特に人を守ったり助けたりする人たちはその数も重さも凄いと思います。
今日はまた慈雨を思い出せてよかったです。

娘が帰ってきていたのでゆっくりコメント出来なくて遅いコメントですみません。

しのさんのコメント
2016/12/26

こんばんは(#^^#)
コメントありがとうございます。
そうですね~おばあさんの言葉、ずっしりと胸に響きました~とっても素晴らしい言葉でしたね(*'▽')
妻の香代子さんもとっても素敵な人でした。
大きさは様々でしょうが、自分の人生に後悔のない人っていないと思います。
この主人公の様に警察官だとその重さや大きさは計り知れないでしょうね。
私のとってお遍路さんは身近に感じる存在なのでいつか…いつか回れると良いなぁって思っています( *´艸`)

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