群馬県警で42年の警察官人生を終え、定年退職した神場智則。
妻の香代子と四国八十八カ所の歩き遍路の旅に出た。
警察官人生を振り返る旅の途中で、幼女殺害事件の発生をしり、動揺する。
16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件に酷似していたのだ。
神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件にーー。
元部下であり、娘の彼氏でもある緒方を通して捜査に関わり始めます。
そして、消せない過去と向き合い始めるーー。
四国八十八カ所を巡礼している様子。お遍路の途中での人との出会い。
妻・香代子とのやりとりや二人の長い歴史や過去。
娘への思い…娘と緒方の付き合いを許せない気持ち…。
それらが丁寧に描かれていた。
特に16年前に神場の心に深く刻みこまれた傷や後悔。
自分と向き合い、正義とは何かを問いかける神場。
その心理描写がとても丁寧で、読んでるこちらも胸が苦しくなる程でした。
妻の香代子がとっても素敵でした(*´ `*)
そして、最後には涙が零れそうでした。
自分の人生に後悔を抱えていない人は少ないと思います。
大きな後悔を抱えてきた人がどう生き直すのか問いかけられていました。
また、頼るべき存在で心の拠り所の警察組織。
その警察組織が上っ面の正義だけを守る組織であって欲しくない!
隠蔽体質は変わった欲しいって思った。
「ずっと晴れとっても、人生はようないんよ。日照りが続いたら干ばつになるんやし、
雨が続いたら洪水になりよるけんね。晴れの日と雨の日が、おなじぐらいがちょうどええんよ」
とっても印象的で心に残る素晴らしい言葉でした。
お遍路さん行きたいって思いました(*Ü*)
- 感想投稿日 : 2016年12月9日
- 読了日 : 2016年12月9日
- 本棚登録日 : 2016年11月27日
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