★2.5
幼い頃から僕は人と上手く話せなかった。
僕はスナックを経営する母親と二人暮らしだった。
母親とも上手く話せない僕は、よく叱られた。
いつもひとりで過ごしていた僕は、中学生の頃からネットの中に居場所を見つけた。
大学まで行きたくて高校に上がったが、2ヶ月で辞めた。
スナックのお客の紹介で地元の縫製工場に就職した。
その工場では、僕が一生買うこともできないような高価な服を作っていた。
4年間勤めたが、小さな事件を起こして退職した。
僕は地元を逃げ出し、東京へ向かった。
だがそれが、大きな転落の始まりだった‥。
重い…重い…重い!
コミュニケーション障害はあるが、とても善良な少年が
残虐な犯罪を起こしてしまう…追い詰められてゆく姿を
淡々と、本当に淡々と本人目線で描いていた。
母親があんな人じゃなかったら…。
クラスメイトが…。先生が…。会社の同僚が…。
周りの人々の何気ない弱い者いじめ。
何かが違っていれば…誰か一人でも彼に寄り添う人がいればと、
思わずにはいられなかった。
社会の底辺で生きている人ってこうなんだ。
テレビで何度か目にしていたネット難民。
ネカフェで親子三人が暮らしている特集番組も観た事があった。
どうしてアパートを借りて暮らさないんだろうって思ってた。
その日暮らしって息が詰まるほどのお金のなさなんだ…。
孤独と絶望に押しつぶされた青年が起こしてしまった無差別通り魔殺人事件。
そこに至るまでの彼の生活…残酷だし、とても切な過ぎる。
怖い…怖すぎる。
今の社会を考えさせられた。
とてもとても考えさせられた。
でも、あまりにも読むのが辛かった(*T^T)
- 感想投稿日 : 2019年12月27日
- 読了日 : 2019年12月27日
- 本棚登録日 : 2019年12月27日
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