通り魔

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著者 : 嶽本野ばら
  • 小学館 (2014年11月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863919

通り魔の感想・レビュー・書評

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  • もしもこの事件を新聞で見たとしたら、この犯人に対して一ミリの同情も寄せなかっただろう。
    何の落ち度もない被害者たちの、その恐怖と無念を思い心の底から犯人を憎んだだろう。たとえ彼の人生が理不尽な排斥によって追い詰められた結果の凶行だったとしても。
    けれど、けれど、と不安になる。彼の語るあの瞬間を私は待っていなかっただろうか、と。
    ナイフを握る彼の背中を押しはしなかったか、と。

    彼のこの人生はきっとこの国のあちこちで同じように何度も何度も繰り返されている。その一つ一つが彼と同じとは言わない。どんなに悔いても贖える罪ではないとはわかっている、けれど。
    こうなる前に、何とかならなかっただろうか。誰かが手を差し伸べられなかったのだろうか。
    何十人もの彼を押しとどめる何かを私たちは考えなければならないんじゃないだろうか。
    彼の背中を押さないでいられるために。

  • 自分のこれからが怖くなった。

    コミュニケーション障害の少年がストーカーをし、それを周りに知られて都会に逃げる。生きるだけのその日暮らしをする。唯一信じていた人に裏切られる。給料が振り込まれない。ふと気付くと街には幸せな人がたくさんいる。自分は笑ったことすらないのに。

    主人公の彼の気持ちを思うと、あの時ああすればよかった、こうすればよかった。などの解決策すら思いつかない。
    彼がしてしまったことの否定も馬鹿にすることもできない。

  • コミュニケーション障害を抱え、同級生や職場の同僚はおろか、母親とも上手く会話ができない主人公。そんな彼が度重なる辛く理不尽なことにも耐え忍び、何とか生きていこうとするが、方々で裏切られてしまい、最後には恨みや妬みが爆発しとんでもないことを起こしてしまう。物語は終始、主人公から読者へ語りかける形の構成。最後まで主人公に対して感情移入も共感もできず。そして作者がこの本を通して読者に何を伝えたかったのかは分からなかった。配管清掃の場面に象徴されるように、終始どこかに閉じこめられたような閉塞感が漂う一冊だった。

  • 図書館

    すごく怖い。
    読了後のいやな気持がすごくて、再度は読めない。
    それぐらい怖かった。

  • 2016/05/09

  • 久々に野ばらちゃんの小説をきちんと読み終わりました。
    ここ最近の作品とは違い、小説という体はなしていますが、美しい野ばらちゃんのストーリーとは似て非なるやるせない話でした。

  • 2016/1/22読了。

  • コミュ障の男の子が社会に馴染めず転落していく話。

    暗い、生きていくのが怖くなる。
    その日暮しというのはこういうものなのかと初めて知った。自分は今失業中だけど選ばなかったら職に就ける立場だから恵まれている。けど、人生何があるか分からないからきちんと生きないといけない。

    でも、主人公も一回誤った道にいっただけであとはまっとうに生きていたから人生どう転落するか分からない。

  • なんて悲しいんだろう。
    通り魔になってしまった主人公をけして憎むことができない。指を差すことなどできない。

    私たちだって一歩間違えばこうなる可能性があるのだ。
    現代社会の闇を描いた、作品。

  • 「コミュ障」少年が通り魔になるまでを淡々と描いている

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通り魔の作品紹介

これは小説ですが、小説以上に切実です!

これは小説ですが、小説以上に切実な小説です!!

――たとえば、食べるために働いたことのない2世・3世の議員に、こんな事態が想像できるだろうか?
生活できないことは、こんな現実があっても「自己責任」なのか?
小さな障害はあるものの、善良だった少年が残虐な凶行に及んだのは、彼だけの罪と言えるのか?
社会が犯している「弱い者いじめ」は、人間としての「罪」ではないのか?

【あらすじ】
幼い頃から僕は人と上手く話せなかった。僕はスナックを経営する母親と二人暮らしだった。母親とも上手く話せない僕は、よく叱られた。いつもひとりで過ごしていた僕は、中学生の頃からネットの中に居場所を見つけた。大学まで行きたくて高校に上がったが、2ヶ月で辞めた。スナックのお客の紹介で地元の縫製工場に就職した。その工場では、僕が一生買うこともできないような高価な服を作っていた。4年間勤めたが、小さな事件を起こして退職した。僕は地元を逃げ出し、東京へ向かった。だがそれが、大きな転落の始まりだった‥。

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