古い百貨店の中にある、創業当時からのテナント書店「銀河堂書店」
そこには、素晴らしい書店員が沢山いる。
主人公の月原一整は、勤続10年で文庫本コーナーを担当している。
過去の不幸にとらわれて、人と深く関わり合わない物静かな青年だが、
埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、
店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。
一整は着目した一冊の新刊の文庫があった。
しかしある日、店内で起こった万引き事件が原因で店を辞めざるをえなくなる。
傷心を抱えた一整は、以前よりネット上で親しくしていた田舎町の温泉保養地である
桜野町に桜風堂書店を構える老店主を訪ねる旅に出る。
そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていたーー。
幼い頃に愛する家族と居場所をなくした彼が居場所をまた失うが、
本に導かれて別の場所で再生し、居場所見つけた物語。
表紙のイラスト通りの優しい雰囲気の物語でした。
でもそれだけじゃなくって、大型書店と昔ながらの地方の書店の現状など、
苦しい様子が所々に散りばめられていて、その中にあっても様々な工夫をしながら、
書店を盛り上げていこうとする書店員の姿がとても魅力的で、
熱い思いがさりげなく伝わってくる。
本を愛する人にはたまんない一冊でした。
情景描写が綺麗で優しかった。
場面ごとに色彩が浮かんでくるような色鮮やかで、花や草の匂いさえ漂ってくる感じがしました。
一整がみつけた宝物の様な一冊を巡り元同僚達が一緒になって奇跡を起こす。
登場人物が皆優しくて良い人で一生懸命で良かったです。
時々挟まれる猫のアリス目線が良かったなぁ~ほんわかしました。
帯の通りに温かい涙がウルウルしました。
- 感想投稿日 : 2017年1月31日
- 読了日 : 2017年1月31日
- 本棚登録日 : 2017年1月24日
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