自己の変容: クリシュナムルティ対話録

  • めるくまーる (2000年6月12日発売)
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気づき、葛藤、道徳、自殺、組織、愛と性、苦しみ、依存、個人と社会等さまざまな問題をめぐる33の対話。質問者の問いは、多方面に渡るが、クリシュナムルティは、それら一切の問題の根底にあるひとつの問題をつねに明らかにする。彼の教えが濃縮され、最適な入門書。

一切の問題の根底とは何か。過去によって条件づけられた〈私〉というフィルターを通して現実を歪めてしまう。ここに分離があり、問題の根源がある。

「あなたは過去である思考の運動なしに、過去である自分自身を見つめることができますか。考えることなく、なんの評価もなく、好き嫌いもなく、なんの判断もなく見ることができれば――そのときあなたは、過去によって汚されていない目で、ものを見ているのです。それが静寂のなかで見ること、思考の騒音なしに見ることです。」

クリシュナムルティを読むと、その魂の気高さに打たれ、「自己の変容」の限りなき可能性を指し示されて感動する。この高潔さから来る波動を浴び続けたい。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆さとり(書評つき)
感想投稿日 : 2008年11月1日
読了日 : 2008年11月1日
本棚登録日 : 2008年11月1日

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