約10年前にヴェネツィアを訪れたときの光景を思い出しながら読んだ。塩野七生シリーズは今回初めて読んだが、小説というより歴史書。というと一気にとっつきにくく思えるが、スッと入ってくる文章で非常に読みやすい。過去の旅の記憶も重なってあっという間に読了。
旅行した当時はバックパッカーで安宿に泊まりながら街中を歩き回った。勿体無いことに文化的な価値にはあまり興味がなく、サン・マルコ寺院やパラッツォドゥカーレには入らなかったけれど、路地という路地を歩き回って「カンポ」を横切って、迷ったと思ったらいきなり視界が開けて運河に出たこともあった。あの光景がこの世から隔絶されたファンタジーの世界のように感じられたが、背景に意外にもヴェネツィア人の辿った歴史や現実主義的考えがあると思うと、また見え方が違ってくるのが不思議だ。
本に出てくる様々な建物の名前や美術品などを画像検索しながら読むとこれまた面白い。特に当時の大商人の居住を今に残すホテル・ダニエリ(今はマリオットグループとのこと)のHPはくまなく見てしまった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年1月4日
- 読了日 : 2021年1月4日
- 本棚登録日 : 2014年11月9日
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